いけないいけない行けない。今日は会社に出社拒否したいほど会社に行きたくない。首筋についた(つけられた)ものを見られたら誰に何を言われるかわからない。 昨日の夜、同僚の女友達と飲んでたら、酔っ払った子がキス魔だなんて誰も教えてくれなかった所為で、あたしは餌食になっていた。 何とか隠れる位置につけられてたものと消えたものに対してはほっとしたものの、首筋の一箇所だけはどうにもこうにも隠せなかった。こういうときに髪の毛が長いといいんだろうけど、生憎切り揃えたところだった。 いい具合に悪いことが重なる。 「どうしたんです?寝違えでもしましたか?」 バッと後ろを振り返ると、上司の六道骸さんと同僚の柿本さんと犬が立っていた。 おはようございます!慌てて挨拶をすると、六道さんからおはようございますと柔らかく返された。 「あんれちゃん、なんか首筋に怪我でもしたのら?赤くなってるびょん」 こいつ・・・この目敏さはなんだ。な、何でもないの!と首筋を隠すと不思議そうに思った六道さんが私の手を掴んだ。これは・・・アレですね。とクフフと笑った。 弁解しようにもなんだか恥ずかしくって俯くと六道さんが耳元で言った。 「誰につけられたのか知りませんが、今度は私がつけてあげますよ」 へ?思いがけない言葉に顔を上げると、それでは今日も頑張りましょうか。と何事も無かった様に六道さんは微笑んでいた。 隣にいた犬がなんなのら、アレ!と柿本さんに喚いていて、柿本さんが面倒いと溜息をついた。何でこんな展開を迎えたのやら・・・ 誰かあの人の言葉の意味を教えてください。でないと私の思考回路は止まったまんま。 |
キスマークトラブル!